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黄色いドカと青いドカ YELLOW DESMO and MK-3

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2010年 09月 12日

ラリー後

ラリーがスタートするまでに700キロ程走り込んだのだが、結局はこのラリーこそがトラブルの膿だしになってしまった。
用意したプラグは3本、一日一本交換。
プラグには毎度びっしりとオイルデポジットが付着していた。
オイルの消費が半端ではなく、帰宅してからオイルを抜いてみると2リットルも入っていなかった。
これはかなり危険だったと思う。
4日目の朝にオイルの量をチェックするとディップスティックに全くオイルが付着しない。
とりあえず1リットル足したのだが、足さなければ確実にエンジンは焼き付いていたと思う。
すぐに越上をばらしてシルバーストーンへ向かった。
村山さんに工具を借りてヘッドばらし、加工屋に出してもらう。
翌々日、村山さんから電話
「ヘッド、クラック入ってるよ〜」
ガーン
さらに翌日、今後どうするかの相談と現物確認に村山さんを訪ねる。
クラックはバルブガイドの所に入っていた。
ラリー後_d0106812_211093.jpg
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恐らくはサイズの大きいガイドを無理に圧入したために発生したと思われる。
修正は可能だけれど大手術になるし予算もかかるとの事で、状態の良いヘッドを倉庫から探してきて下さった。
ラリー後_d0106812_2121361.jpg

ちなみに奥の奇麗なのがクラックの入ってる方、洗浄してカーボンが落ちてからクラックに気づいたそう。
さらに10日程して加工屋さんからケースが戻ってきたとの事で早速組み立てに入る。
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洗浄され、バルブガイド入れ替えバルブ擦り合わせが行われたケース。
先ずはオイルストーンを使用してカバーが付く各部の面研。
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ラリー後_d0106812_1404873.jpg
デコンプ付きバルブカバーの内側。
接地面に無数の線傷を確認する事が出来る、これはもともとこの状態だったのだが、酷い例。
オイルストーンで面研し直すが完璧にするにはかなりの時間を要する。
各部面研が終了したらバルブの取り付け。
その前にIn側Ex側合計4本のバルブスプリングをテスターにかけて張力の確認。
Ex側が一本へたっていたので交換する。
ステムシールを新品に交換して、特殊工具を使用してバルブスプリングとバルブを取り付ける。
カムを支えるベアリングも新品に交換。
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クリップとベアリングの間の極薄のシムを忘れないように。
ラリー後_d0106812_1411937.jpg
カムはスクランブラーのものが付いていた。
カムの特性は?元気なカム、だそう、、、、。
さてこれからシム調整に入るのだが、シムを削るのは時間がかかるので加工屋さんにまわす事にして一旦終了、先にピストンを組み付けることにする。
ピストンは76.6ミリのオーバーサイズピストン、BORGOの純正品。
ラリー後_d0106812_141933.jpg
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ちなみに交換前はGPM?のものが付いていた。
ラリー後_d0106812_1415187.jpg
ピストンリングを専用の工具で取り付ける、途中で折れたりしたら偉い事になるので流石に自分でやるには怖い。
さらにこの先にピストンピンを押さえるリングをはめ込む、難関な作業が待っている。
このリングCの形をしていてやたらと固いのだ。
ピストンの箱の中に写っている18㎜と表記されたリングがそれ。
先端が曲げられていてΩの形をしたピストンリングだとなぜか外れる事があるそうで、村山さんは社外品のリングは絶対に使わないそう。
それにしてもはまらない、指先がとても痛くなる。
やっとのことではめ込んだが、量産体制のもと一体どのようにしてこのリングをはめ込んでいたのだろうか?
片方がはまった所で一旦コンロッドにピストンを取り付ける、In側Ex側を間違えないように、、、。
リングが越下に落ちるという最悪な事態を避けるために、開口部にはしっかりとウェスを巻く。
ラリー後_d0106812_142191.jpg

さてここで反対側のリングをはめる事になるのだが、僕は結局30分程格闘してギブアップだった。
リングのクリアランスは100分の9。
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現代のバイクではあり得ないクリアランスだそうだが、十分な慣らし運転が必要とアドバイスされた。
ラリー後_d0106812_1421233.jpg

あとはシム調整を待つのみ。

by arata350 | 2010-09-12 09:26 | MK−3


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