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黄色いドカと青いドカ YELLOW DESMO and MK-3

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2010年 03月 11日

ヘッド分解

外したヘッドをシルバーストーンさんに持ち込んでいよいよばらす事にする。
先ずはヘッドをばらすにあたり、部品がごっちゃにならないよう仕分け出来るようなパレットを用意。
ヘッド分解_d0106812_19501918.jpg

エグゾースト側とインテーク側を絶対に混同しないようにする。
準備ができたらヘッドを木枠に乗せてバルブカバーを外す。
ヘッド分解_d0106812_19504473.jpg

次にタコメーターカバーの中にあるベベルギアを外す。
先にタブワッシャーを外す必要があるのだが、これはマイナスドライバー等を利用して外す。
ヘッド分解_d0106812_204527.jpg

ヘッド分解_d0106812_19511560.jpg
使わなくなった古いドライバーの先端を研磨して細くしたもの、平べったくしたものの2本を用意しておくとワッシャーを外す際に何かと便利である。
駄目になった工具も必ず次の役割が待っている。
ベベルギアを止めているナットを外す際、カムを押さえるSSTがあるのだが、破損する事があるのでインパクトレンチで一気に外してしまう。
ヘッド分解_d0106812_19514553.jpg

プラハンマーで軽くたたいてカムを外す。
ヘッド分解_d0106812_19525324.jpg

次にSSTを使ってロッカーアームを止めているシャフトを引き抜く。
シャフトの先端が雌ねじになっていて、そこにSSTの先端のねじを回して引き抜くようになっている。
ヘッド分解_d0106812_20454674.jpg
ヘッド分解_d0106812_19532549.jpg

シャフトを抜く際にはまっすぐに抜く事、斜めに引き抜いたりするとSSTが破損したり、シャフトが歪んでしまったりする可能性がある。
さらにシャフトを戻す際は必ずネジ山がある方を手前に持ってくる事。
ネジ山がある方を奥にして組み付け、2度とシャフトが抜けなくなったヘッドがあるとかないとか、、、、。
シャフトが抜けたらバルブスプリングコンプレッサーを装着する。
ヘッド分解_d0106812_19544834.jpg

純正の工具は画像のように立てて使う事が出来るので、細かい作業がしやすい。
ヘッド分解_d0106812_19552128.jpg

スプリングをある程度押し込んだ所で、中央で2本のスプリングを押さえているアタッチメントを外す。
ロッカーアーム、スプリングアタッチメントを外した状態。
ヘッド分解_d0106812_2049275.jpg

中央にあるのがバルブの頭。
コッターを取り外してバルブを抜く。
さてここでバルブを支えているバルブシールの状態を確認すると、コチコチに硬化していた。
さらに注意深く観察してみると、硬化したシールにヒビが入っている事がわかった。
ヘッド分解_d0106812_19555749.jpg
画像右下の方、縦に亀裂が入っている。
純正の黒いバルブシールと改良版の白いバルブシール。
ヘッド分解_d0106812_19563955.jpg

そして粉々になっているのが外したシール、柔軟性もなくここからオイル下がりが起きていたものと思われる。
外したバルブをガイドに通してガタを見てみる、結構ガタがある。
試しに新品のバルブを通してみると、それでも結構なガタがあった。
結局エグゾースト側はバルブガイドの打ち替えが必要になった。
さらに新品のバルブと外したバルブのシャフト径を測ってみると。
新品7.95、外した物7.92という結果が出た。
先端はこんな感じ、フェイス研磨で再使用できなくもないが、どうせならばという事で新品に交換。
ヘッド分解_d0106812_19572079.jpg
ヘッド分解_d0106812_1958982.jpg

さらにバルブスプリングテスターを使って、2本のスプリングをテストしてみる。
並べた時に明らかに高さが違っていたのだが、1本はかなりへたってしまっていた。
ヘッド分解_d0106812_19584462.jpg

スプリングも一本交換となる。
この要領でインテーク側も分解。
こちらもシールは硬化していた、バルブステムの状態はまぁまぁ良かったのでフェイス研磨で再利用出来そうだったが、ガイドは痩せてしまっていたのでこちらも打ち換える事になった。
インテーク側のバネは2本とも良好だった。
ばらした部品はそれぞれ洗浄、加工へ回される。
これだけ見てみれば、パワーが出ないのも当たり前のように思う。
ある時を境にずっときれいだったオイルが真っ黒に汚れるようになってしまった、これもオイル下がりが原因なのだろう。
最初に付いていたスミスの距離計が正しければ、このエンジンは現在約50000キロ程走った事になる。
少なくとも腰下は封印が付いていたので、およそ30年はそのまま人の手が入っていない。
腰上は一昨年オーバーサイズピストンを入れた時にオーバーホールをすべきだったかもしれない。
いずれにしてもこのバイクが家に来た頃は、最高に調子の良いバイクだった。
アタリくじを引くというのはこの事だなぁと喜んでいたのだが、グルッポに参加して皆さんの走りに付いて行けず、ようやく付いて行けそうになった頃にはバイクの方が調子が悪くなってしまった。
なんともうまくいかないが、加工が済んで組み上がったら最高に調子の良いバイク、になるだろう。

by arata350 | 2010-03-11 21:42 | MK−3


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